「大人のハッピーセット vol.34」+今週のコラム(超合理的メガホッピーセット)+今週の日記
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大船「倉庄」の「焼鳥盛り合わせ」と「ホッピーセット」 / 今週の「大人のハッピーセット」
大船「倉庄」の「焼鳥盛り合わせ」と「ホッピーセット」
神奈川県鎌倉市にある「大船駅」付近で、早めの夕方、軽く飲める店を探していた。
生まれて初めてきちんと降りた駅だけど、とても活気があって、とはいえ都市部ほどの息苦しい感じはなく、一発で気に入ってしまった。時刻はまだ夕方の4時前だけど、ちらほらと開いている店はある。思いっきり駅前にある酒場が、海が近いことを感じさせるつまみのラインナップで魅力的だ。特にマグロを特製だれとみそ味で焼いたという「カルビ焼」にとてもそそられる。ハッピーアワーのハイボールが1杯50円という、とんでもない値段のホルモン焼きやもあった。ただ実は、数時間前に昼飲みができる老舗らしき酒場「和楽」という店にも入っいて、お腹はそこまで空いていない。
そこで、時間はあるし、駅周辺をふらりと歩いてみていると、気になる店を発見。
大船「倉庄」
そこは「倉庄」という店で、まずこの時間に珍しく、のれんが出ていてすでに営業中のようだ。ただ、そののれんがずいぶんと縦長で仰々しく、なかの様子がわかりづらい。いわゆる、大衆割烹的な店だろうか? それでも隙間からちらりと見えた店内は、意外にも立ち飲み屋のようだ。
こりゃあいい。知らない街の、まったく情報のない立ち飲み屋に入ってゆく、ちょっとした緊張感。これまでの経験から、扉を開けたときの反応は大きくふたつに分かれるだろう。ひとつめは、大将や常連さんから「なんでここに入ってきたの?」という怪訝な顔をされるパターン。以前にも何度か、がらっがらの店内に客が数人いただけだった酒場で「今いっぱいだから」と断られたことがある。もうひとつは真逆で、同じ「なんでここに入ってきたの」でも、語尾に「!?」がつくタイプ。つまり、「珍しいね〜、若い人が(実は若くもない)ひとりでここに入ってくるなんて!」と歓迎を受けるパターンだ。ここはどっちだろうか? あぁもう、入らないわけにはいかない!
思い切ってそろりと扉を開け、「すいません、ひとり入れますか?」と聞く。すると店をお切り盛りしているらしき女将さんではなく、カウンターにいた男女ふたり組の常連さんがまず、「どうぞどうぞ! ビールが飲みたかったら冷蔵庫から出してきてね」「ちょっと、まだなに頼むか聞いてないでしょ! それに、生ビールかもしれないじゃない!」とかけあいを始める。続いて、「お兄さん初めて? よくここに入ってきたね〜。若い人(だから若くないんだって)大歓迎だから!」と。後者のパターンだったか。
「ビール(大)一本」(500円)とお通し
すぐに女将さんがお通しの大根煮を出してくれ、自分で冷蔵庫から持ってきた瓶ビールをぐびり。この瞬間の、やっとふわりと心身がほぐれる感じこそ、知らない街の知らない酒場で飲む醍醐味だよなぁ。
メニューは一品料理から揚げもの、意外なところで、立ち食いそば的なそばうどんメニューもある。が、こういう場合はまず、女将さんの手間をなるべくかけない料理から様子を見たい。ふとカウンター内に目をやると、焼き台に火が入ってスタンバイ中なのが見えた。そこで聞いてみる。
「こちらは、焼鳥がメインなんですか?」
「そうね、焼鳥ならすぐ出せますよ」
よし、これだ。
「え〜と、おまかせで何本かってできますかね?」
「いいわよ、何本くらい?」
「……5本くらいで」
「そんなに食べられる? 元気ねぇ。ちょっと待ってて」
焼鳥5本で元気認定をしてもらえるなんてありがたい。大根煮をつまみに飲み干してしまったビールに続き、冷蔵庫からホッピーを出してきて、女将さんに氷と焼酎入りのグラスをもらい、それを飲みつつ待つ。
「ホッピー 一本(350円)」※ナカの値段聞き忘れ
少し待って串ものもやってきた。右から「かしら」「ねぎ間」「ももニンニク」「豚しろ」「とりもも肉」かな。1本150円。ごくオーソドックスな焼鳥だけど、焼きたてなことがなによりありがたく、塩気がほんのり強めで酒に合う。その後「こっちも焼鳥もらおうかな」と頼み出した常連さんたちはこぞって「つくね」を頼んでいたので、次回は必ず食べてみよう。
今調べてみたらこの店、なんと午前の10時半から営業しているらしい。優しい女将さんと明るい常連さんたちによる居心地の良さに癒された、とてもいい時間だった。大船に行ったらまた寄ろう。
超合理的メガホッピーセット / 今週のコラム