「大人のハッピーセット vol.40」+今週のコラム(200円のかにの味)+今週の日記
【今週の内容】
・前半【大人のハッピーセット】→ 無料読者登録をしてもらえたら読めます。・後半【今週のコラム】&【今週の日記】→ サポートメンバー登録(1ヶ月750円)をしてもらえたら読めます。
気持ちや生活に余裕があり、「ま〜応援のつもりで」と思われた方は、サポートメンバー登録をぜひ。気軽に無料部分だけを読んでもらうのでもぜんぜん。どちらでもお気軽に!
「そばうどん 松本」の「ナス天そば」と「缶ビール」/ 今週の「大人のハッピーセット」
池袋で会社員をしていた時代によく行っていた、立ち食いそばの老舗「君塚」が閉店してしまったらしい。そのことを知ったのが閉店間際だったので、けっきょく最後にお別れに行くこともできなかった。その近くにあってこれまた好きだった「大黒そば」もずいぶん前に閉店してしまったし、他にもかつていくらでもあった個人経営の立ち食いそば屋は、池袋にはもう、ほぼなくなってしまったようだ。寂しい。
ところで、僕の地元大泉学園にあって、これまた昔から通っている「そばうどん 松本」は、噂によると「君塚」の系譜を次いでいるらしく、立ち食いそば好きの間ではけっこう有名なことらしい。最後に君塚に行けなかった寂しさ、松本へ行って癒すとするか……。
大泉学園「そばうどん 松本」
カウンター席に着き、まずは缶ビールを飲みつつ君塚をしのぶ。冷え冷えの缶ビールに、メンマの小皿がついてくるのがいつでも嬉しい。
「缶ビール」(350円)
それからそば。僕はいつもここでは「春菊天」を頼むんだけど、そういえば君塚で好きだったのは、巨大で食べごたえ満点の「なす天」だった。今日はそっちにしてみよう。
「ナス天そば」(420円)
おぉ! 松本でなす天を頼んだのは確か初めてだけど、記憶のなかの君塚のなす天にすごく似ている! そうだそうだ、このどんぶりからはみ出る巨大さ。これは嬉しい発見だぞ。
だし感や甘みはそれほど強くない、キリッとした味わいの真っ黒なつゆ。そこに、若干ボソッとした食感のゆでおきそば。これこそが正統派立ち食いそばの味わいだよなぁ。じゅわっとしたなす天にかぶりつくたび、衣の油がつゆに染みだし、一方で天ぷらの衣はつゆを吸って黒く染まりだし……。
あぁ、この街にこの店があってくれて良かった。できるだけ末長く、この幸せの味を守り続けてほしいと願うばかり。
200円のかにの味 / 今週のコラム
スーパーの鮮魚コーナーにたまに、目を疑うような安さの「かに」が売られていることがある。たいていは小ぶりな「ずわいがに」とか「くりがに」とかで、成長しきる前に大量に獲れてしまったりしたものなのだろうか。
先日もスーパーにそんなかにが並んでいて、なんと1杯、税込み386円。それがさらに4割引きになり、1杯231円と、とんでもない価格になっている。僕がこれまでにさせてもらったもっとも贅沢な取材仕事のひとつが、福井県の高級温泉旅館に泊まり、ずわいがにのブランドである「越前かに」のフルコースを堪能するというもの。その時にメインだった丸ごと1杯のかにが、板前さんいわく「市場価格で2万円以上はするものです」とのことだった。対してこっちは、その100分の1ほどの値段……。これで誰にも買われず廃棄などされてしまっては、わざわざ鳥取県からやってきたかにが、あまりにもかわいそうすぎる。せめて1杯でも、僕が味わってあげることにしよう!
家に帰り、ひとまずゆでてみることにした。熱湯につけた瞬間、真っ赤に染まる様子をみるに、間違いなくかにだ。身入りがどのくらいかわからないから、どのくらいゆでていいかもわからない。とりあえず10分くらいでいいか。
ゆであがったかにのあら熱をとったら、我が家の秘密兵器、貝印のかに専用ハサミ「さばき名人」を使って、丹念に身を取り出していこう。
小ぶりな手足に詰まっていた身はさすがに控えめで、福井で食べたかにと比ぶべくもない。それでも一生懸命かき集めたら、合計で46gになった。それなりにみそもあった殻に詰め直し、さて、味わってみよう。
箸の先で身をつかみ、大切に大切に味わってみる。すると驚いたことに、ふわりとした身は甘くて香り良く、ちゃんとうまい! いや、ちゃんと以上にうまい! かにだかにだ! 間違いなくかにだ! 居酒屋だったら800円くらいしても大喜びで食べる。
じっくりゆっくり日本酒と味わい。久々のかに欲が満たされた。あぁうまかった。
ところで、さっきのゆで汁にもきっと、かにの旨味が残っているに違いない。あれを捨てるのはもったいない。よし、汁を再利用して「かにラーメン」を作ってシメとしよう。
といっても、あまり凝ったことや時間のかかることはしない。ゆで汁に中華スープのもとや醤油でなんとなく味をつけ、海藻入りの乾燥具材を加えてやって、それっぽいものを作るくらいでいいだろう。麺も市販のもので。
うんうん、まぁこんなもんかな。と、すぐにラーメンは完成。思ったよりはかに風味が薄めだけど、200円のかに1匹ぶんから出ただけのだしだからなぁ。それでも、ラーメンの上にかにの甲羅を戻してやったら、気分はずいぶん出て、これはこれで楽しいや。
食べにくいので甲羅は早々にどけてしまい、思いつきでバターを加えたら、ほのかにかにの味がする、じんわりと優しい海鮮ラーメンという感じで、じゅうぶんにうまかった。途中の細かい身集めの作業の苦労を考えると、さすがに頻繁に買おうとは思わないけど、それでも心と時間に余裕のある日には、また買ってきてやろうっと。
※この記事を書いたあと、僕もライターをさせてもらっているWEBサイト「デイリーポータルZ」に、松本圭司さんがほぼ同じテーマの記事を書かれていたことに気がつきました。しかも、僕の10倍はていねいに。ただ、もう書いちゃったし、感じたことはすべて僕の主観なので、掲載しました。松本さんの記事、すごく読後の満足感が高い内容だったので、良かったら読んでみてください。
今週の日記
※必ず毎日書くというわけではないことをご了承ください。
5/20(土)
4時に目が覚め、しばらくの間ふとんのなかでじっとしていた。
朝、娘に五目うどんを作る。
今日は横浜の「ネイキッドロフト」で、自分が主催のイベント「パリッコのトークライブ『っていうか飲み会』〜横浜編〜(3杯目)」がある。ゲストはイーピャオさんとbutajiさんという大好きなふたりで、なにがなんでも楽しみたい。相変わらず少し心身が疲れている気はするが、とにかくなるべく明るい気分で、横浜に向かうことにした。
出がけにいつも持ち歩いているカメラの充電が切れていることに気がつき、さらに地元駅で、タッチの差で最速で横浜へ着くはずの「Fライナー」を乗り逃してしまい、少々へこむ。ただ、そのあとすぐに「S-TRAIN」というのが来るらしく、こちらも乗り換えなしで横浜駅まで行けるうえ、数百円で指定席がとれるらしい。使ったことなかった。これしかない! と乗り込んだら、なんと席にはコンセントが備え付けで、カメラの充電ができた。いいぞ。
イベントはふたりの人がらと温かいお客さんのおかげで和やかムードで終わった。ありがたい。そのままお客さんに教えてもらった、会場近くの「ちょいのみてい 横浜処」という立ち飲み屋で少し打ち上げをして帰る。これまたいい店だった。
5/21(日)
午前中から野暮用で家族で出かけた場所の気が悪かったのか、朝は元気だった娘がなんだかぐったりしてしまう。さらに自分も妻も。そこで家族で1日おとなしく過ごし、夜は少しでも元気が出るようにと、「ライフ」でローストビーフ用のでかめの肉を買ってきて、豪快にローストビーフにして食べた。娘には玉子がゆ。
5/22(月)
午前、記事のネタ用に、コンビニでチルドハンバーグとバンズを買ってきて、組み合わせて食べる&撮影。
相変わらず調子が出ず、メンテナンスデーと割り切って無理せず過ごす。
午後、ひと冬お世話になったこたつぶとんをクリーニングしに行く。
夜、すっかり元気になった娘がなぜかハンバーガーを食べたがり、ちょうどひき肉やパンもあったので、作ってやってそれを一緒に食べる。ハンバーガーしか食わなかった日。
5/23(火)
なにかがヤバい気がする。心身ともに。気分を切り替えたいので、朝風呂に入り、さらに近所の石神井公園を散歩して、園内の神社にひととおりお参りをしてくる。
するとだいぶ気持ちがすっきりし、仕事ができるくらいの精神状態になった。締め切りがあるので、とにかくやる。「デイリーポータルZ」原稿。「レタスクラブ」原稿。
昼、夜、なにを食べたんだったかな? 食欲がまったく湧かず、1日なにも食べなかったのかも。
5/24(水)
前から行きたいと思っていた「田無神社」へ行き、ついでに「ハマりメシ」のネタ用に、門前にあった「たからや」というそば屋で昼飲み。このコース、かなり好きかもしれない。また来よう。
帰宅して「paravi」原稿。
夕、赤坂へ移動し、たこ焼き酒場の「ふくよし」で1杯。
TBSスタジオに移動し、先月に続きスズキナオさんと「アフター6ジャンクション」にゲスト出演させてもらう。特集内容は「アトロク緊急会議! 居酒屋のお通しについて話そう!特集 with パリッコ&スズキナオ」。今まででいちばん、自分がポンコツだった気がする。あとからTwitterで感想を見てみると「今日のパリッコさんは完全にできあがってる」「呂律が回ってない」などと書かれており、返す言葉もなし。
5/25(木)
「ハマりメシ」原稿。
午後2時、「はま寿司」へ行き、同時刻に大阪のはま寿司にいるスズキナオさんと、LINEでチャットをしながら、お互いが今までに注文したことのないものを食べてゆく。「デイリーポータルZ」の企画用に。楽しくて美味しかった。
夕、新宿「cafe COMADO」へ行き、きき酒師の漫才師「にほんしゅ」さんが主催の「第6回にぎやかな晩酌」ゲスト出演。その前の空き時間に、会場近くの「山根商店」という立ち飲み屋の雰囲気がとても良く、行ってみるが満席で入れず。しばらく徘徊し、なんとなく入ってみた「あづき」という店が最高だった。「大根油びたし」「夜のドライカレー」「特大ホッピー」を。
イベントはこれまた関係者さん、お客さんともにいい人たちで、和やかに楽しく夜まで。
5/26(金)
娘が発熱してしまい、今日は妻が見ていてくれることになった。
自分は部屋で仕事をあれこれ。
夕、「ライフ」へいかを買いに行く。
やっと少しずつ、元気になってきているような気はする。
すでに登録済みの方は こちら