大人のハッピーセット vol.10 〜小宮山雄飛さんと飲んだ日のこと〜

(1)今週幸せを感じたお酒とつまみの組み合わせ【大人のハッピーセット】と、(2)今週のコラム【小宮山雄飛さんと飲んだ日のこと】の二本立てです。
パリッコ
パリッコ 2022.10.29
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中野「第二力酒蔵」の「豆腐煮」と「アサヒビール 大瓶」 / 今週の「大人のハッピーセット」

中野「第二力酒蔵」の「豆腐煮」と「アサヒビール 大瓶」

中野「第二力酒蔵」の「豆腐煮」と「アサヒビール 大瓶」

「第二力酒蔵」といえば、中野を、いや、日本を代表する名酒場のうちの1軒だ。

 広い広い店内の壁にびっしりと手書きのメニューが貼ってあって、旬の魚介類を中心に、ここに来れば必ずうまいものが食べられることは間違いない。けれどもまた、“ちょっと大人な店”の代表でもあって、僕程度の男が気軽にふらりと通えるような感じではなく、よし! と気合を入れていくような。

 たとえば「まぐろ」を例にとると、「大とろ」(時価)に始まり、「中とろ」(税別2850円)、「中おち」(1400円)、「刺身」(1100円)と続く。ただしそのまた先に「ぶつ切り」(850円)、「ぬた」(750円)なども用意されているし、ただただ庶民がおいそれとは入れない店だというわけではない。実際、気合いを入れて美味しいものを食べにきたであろうグループ客もいれば、カウンターで煮物などのちょっとした料理をつまみに1、2杯飲んで帰るというような常連さんもいるようだ。

お通しの煮物からして、信じられないくらいうまい

お通しの煮物からして、信じられないくらいうまい

 で、ここに来ると僕が必ず頼むのが1品だけあって、それが「豆腐煮」。これは、魚のあらと一緒に煮込んだ豆腐だけというシンプルなメニューで、しかしながら、いろんな魚の旨味を豆腐が吸いまくり、豆腐好きの僕としてはもう、うっとりするしかない逸品なのだ。

「豆腐煮」(500円)

「豆腐煮」(500円)

 しかも懐に優しい500円というお値段。お店には悪いけど、個人的にはこれと酒だけでもじゅうぶん満足できるし、むしろこの豆腐煮にこそ、すべての料理がきちんとうまい第二力酒蔵の真髄を感じるとさえ思う。

 とか言って、実はこの日はとある仕事の関係でおじゃましたので、ふだんならば絶対に頼めない(時価)の「きんきの煮つけ」も食べてしまったんだけど。

「きんきの煮つけ」(時価)

「きんきの煮つけ」(時価)

 さすがの高級魚だけあり、この日の価格は4000円オーバー。ただ、ふわふわの身がたっぷりで、徹底的にほじくって食べる骨や頭の周りの肉も涙が出るほどうまく、とてもいい経験になった。次はいつ食べられるんだろうな、こんなすごいもの……。

 同行の方と思わず「ごはんが欲しいですね」ということになり、頼んで小皿に少し分けてもらう。もちろん、きんきの身との相性は素晴らしいの一言だったけど、残っていた豆腐煮を煮汁とともにそこにかけた、オリジナル「豆腐丼」がまた、悶絶モノの味わいだった。

 第二力酒蔵に、この豆腐丼だけを食べに来る価値、大いにありだな。

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小宮山雄飛さん

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