『缶酎盃日乗 第一』(ZINE)できました
2022年12月21日から日記をつけはじめ、それを自分がやっているニュースレター配信サービス、theLetter「大人のハッピーセット」内、サポートメンバー限定パートで毎週公開している。と言っても、過去に更新が遅れに遅れてしまった時期があり、現在は約1年前のあたりから、少しでも追いつこうとしているところ。
そもそも多くの人が、日記をつけるという行為には興味があるものだと思う。自分も若かりしころから、複数の日記サイトや、PCのメモ機能、紙の日記帳などと媒体を変えつつ、始めてみては続かなくて放り出しということをくり返してきた。ところが今回に関しては、今のところ3年半ほど続いていて、その理由は「ニュースレターで配信します」と勝手に公言してしまったからに他ならない。
ところで以前から「文学フリマ」というイベントに興味があった。過去に一度、先輩のライターさんと共同でブース参加したこともある。が、近年はさらにその盛り上がりがすごいらしい。多くの人がなんらかの文章を書いて形にして世に出したいと考え、それを求めるさらに多くの人が訪れる。なんだか希望を感じる話だ。
長く参加させてもらっている読みものサイト「デイリーポータルZ」の編集長である林雄司さんから、ライター陣に定期的な連絡をいただく。先日そのなかに「デイリーポータルZで文学フリマにブースを出すので、なにか取り扱いたいものがある方はぜひ」という由の内容があった。こういう機会でもないと自分は、きっとぐだぐだあこがれているだけで終わってしまうタイプなので、えいやっと一念発起し、新しいZINEを作ることにした。内容はいろいろ考えたが、一度まとめてみてもいいかもなと思っていた日記本に決める。
当初はフォーマットを作って流し込んでしまえばいいだけだと簡単に考えていたが、やりはじめると気になるところがあれこれ出てきて、全体的に取捨選択と推敲をすることになり、想定した以上の時間がかかってしまった。そして、けっきょくぎりぎりで、文学フリマには間に合わなかった。なんと情けない男か。
その本が、やっと完成。


内容は、本当にただの日記。日常のなかで出会った、どうしても記録に残しておきたいきらめきとか、はっとするような気づきとか、そういうことは書かれていない。どこへ行った、なにを食った、酒を飲んだ、ということが、ただひたすら書かれているだけだ。はたしてどこの誰がこれを読んで喜ぶんだという気もするけれど、一方で自分は、どこかの誰かが書いたそういう文章を読んでみたいと思う。
永井荷風が大正6(1917)年9月16日から、死の前日である昭和34(1959)年までつけていた日記集『断腸亭日乗』という本が好きだ。好きだと言っても僕が持っているのは、摘録の文庫本上下巻のみで、しかも文章が難しくやたらとぶ厚いから、最初から最後までを全部読んだわけではない。ときどき思い出したように読み進めたり、気になる年代にあちこち飛んでみたりしては、もはや偉人レベルの大作家でも、100年前の同じ日に、日常生活というものを送っていたんだなと、なんとなく身近に想像できて不思議な気持ちになる。また、昭和20(1945)年3月10日未明、東京大空襲で荷風の家だった「偏奇館」が消失してしまった日の記録などは貴重すぎる。どうしてここまで淡々と書けるんだろうと、気持ちを想像しようとするが当然できず、ただくり返し読んでは言葉を失う。
そんな立派な作品からタイトルをもじるのはおこがましいと承知しつつも、日々缶チューハイを片手にのんきに今という時代を生きている自分の日記を『缶酎盃日乗』と名づけた。ちなみにチューハイという言葉は「焼酎」と「ハイボール」を合わせたもので、そこに「盃」という漢字を当てはめることが厳密には間違いであることは承知しているが、そのへんは雰囲気ということで。
内容は、2023年1月1日から12月31日まで。A5サイズ、全74ページ。書籍化にあたり、ふだんは添えている日々の写真はすべて削ってしまったので、ただひたすらに文字がびっしりと詰まった本になった。考えごとが頭のなかをめぐって眠れない夜などに2、3ページも読むと、かなりの入眠効果があることだけは間違いない。
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