「大人のハッピーセット vol.17」〜酒のつまみとしての焼きそば考〜

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スーパーマーケット「ライフ」のおつとめ品と缶チューハイ / 今週の「大人のハッピーセット」

　最近、取材仕事が立て込みがちで、この日も地元駅に戻ってきたのが夜の11時過ぎだった。酒場ライターである僕の取材は、常に好き放題飲み食いをしているというイメージもあるかもしれないし、実際そういうことは多いが、意外とそうでもないパターンもある。この日は後者で、まともな食事は昼にとったきりだった。

　めっちゃ腹減ってる。ふだん夜遅くはあまり食べないようにしてるんだけど、背に腹はかえられない。なにか食べて帰ろう。と思えど、地元の好きな酒場は、もうそろそろ終わりな時間のところが多い。かといって、チェーン店でごはんものをがっつり、という感じじゃないしなぁ。

　そこで深夜0時まで営業してくれているありがたいスーパー「ライフ」を覗いてみることにした。

　さすがにデイリーフーズコーナーは、もはやスカスカだった。が、スーパーの神は僕を見捨てなかった。なんと、たったひとつだけ残っていた刺身の4種盛りに、半額のシールが貼られている！　しかも僕がそこへ近づいていこうとした瞬間、店員さんが最終処理として、さらなる割引シールを貼った！　元値980円が、なんと350円!?　おつとめ狩りの喜び、ここに極まれりだ。さらに惣菜コーナーから20%引きの「たこのつまみ揚げ」もゲットし、まぁこんなとこだろう。さ、帰って飲んで食って寝よ。

　家に着き、まずは刺身をてきとうな大きさに刻み、塩昆布とあえておく。ちょっと古くなった刺身はこうして“簡易昆布締め”にしておけば、問題なく美味しく食べられる。その味がなじむまでの15分くらいの間に、さっとシャワーを浴びてしまおう。

　風呂から出たら、刺身のツマ。以前はなんだかあんまりいいものじゃないような気がして捨てていたが、しっかり火を通すといいつまみになることに最近気がついた。さっときんぴら風に炒めよう。続いてタコ入りの練りもの、たこのつまみ揚げもてきとうにカットし、これもフライパンで軽く焦げ目がつくまで炒める。すべてを皿に盛ったら完成。晩酌準備完了だ。

　妻子はとっくに寝ているから、なるべく音をたてないように、作ったつまみを缶チューハイとともに自室に運ぶ。薄暗い部屋でこそこそとやる晩酌って、なんでこう、妙に楽しいんだろうか。

　ひとまず今日も1日乗り切って、なんとかこうして、うまいつまみと酒にありつけた。あぁ、良かった。

酒のつまみとしての焼きそば考 / 今週のコラム