大人のハッピーセット vol.12 〜400年ぶりの月食が霞んでしまった謎の中華屋〜
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渋谷「呑ん処 二◯九」の「大根の天ぷら」と「春菊ばくだん」と「ホッピーセット」 / 今週の「大人のハッピーセット」

渋谷「呑ん処 二◯九」の「大根の天ぷら」と「春菊ばくだん」と「ホッピーセット」 / 今週の「大人のハッピーセット」
初めて会う編集さんとの顔合わせ、兼打ち合わせで訪れた、渋谷の「呑ん処 二◯九」という店。そこで頼んだ「大根の天ぷら」が、見てのとおり、あまりにもこの連載のコンセプトにぴったりのビジュアルで笑った。
かなり新しめの、若い勢いを感じる店で、メニューにも酒飲み心をくすぐられるようなちょっとひと工夫したものが多い。特に天ぷらは看板メニューのひとつ。単品で、80円の「レンコン」から、800円の「フォアグラ」まであれこれ揃う。

大葉天に明太子をのせたのとか。そりゃあうまかった
なかでも名物なのが、大根の天ぷららしい。

「天ぷら 大根」(290円)
知らないで頼んでこれが出てきたらもっとびっくりしただろうけど、僕は編集さんからあらかじめ「こちらのお店でどうでしょう?」と、食べログのリンクを送ってもらっていたので、なんとなく予想がついていたことだけは悔しい。
ただ、この大根が食べてびっくりで、ただ細切りにした大根に衣をつけて揚げたものではなく、あらかじめ、甘めの醤油味でとろとろになるまで煮込んでから揚げているのだ。つまり、おでんの大根の天ぷらとでもいうか。
さくっとした衣の食感に続いて、じゅわ〜っと甘辛いだしや大根の風味が口に広がり、クセになる美味しさ。思わず2回頼んでしまったほどだ。
また、それを運んでくるたびに店員さんが、「念のためご説明させてください。当店オリジナルのこちらの紙袋、某有名店のものと似てますが、TEMPURAの『M』の文字が業者さんのミスプリントで大きくなってしまっただけなんです」と、律儀に説明してくれる(もちろんネタで)。それに対し、毎回「いや、早く発注しなおしたほうがいいですよ!」とか、「そもそも天ぷらなら『N』じゃないですか?」なんて返す軽いやりとりが、昔ほど苦手でないというか、むしろ楽しくなっている自分にも気がついた。

「素揚げ 豚バラ」(400円)
鶏、豚、牛の各部位の「素揚げ」なんてメニューもあり、これもおもしろいし、「ワイン漬らっきょう」みたいなちょっとしたつまみもちゃんとうまい。

「ワイン漬らっきょう」(250円)
なかでも気に入ったのが、冒頭の写真にもある「春菊ばくだん」。名前のインパクトオンリーで頼んでみたら、見た目はわさっとした生の春菊。ただそれだけ。たとえば下に半熟玉子が隠れているとか、そういうこともない。が、食べてみるとどうやらライムと塩であえてあるようで、そもそも僕は生春菊の爽やかな香りが大好きで、それとあいまって妙に箸がすすんでしまうのだ。しかも、さっきの豚ばらの素揚げなんかに巻いて食べてもうまい。これも思わずおかわりしてしまった。
まだまだ気になるメニューだらけの、呑ん処 二◯九。渋谷はあまり店を知らないので、嬉しい出会いだった。
400年ぶりの月食が霞んでしまったディープな中華屋 / 今週のコラム ※ここからは有料読者登録をした方のみ読むことができます

422年ぶりの皆既月食の夜、西荻窪のとある中華料理屋前にて